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La Scala / Keith Jarrett / ラ・スカラ / キースジャレット
★★★★★
1995年。ミラノ・スカラ座のライヴ。
まず言えるのは、素晴らしい録音状態である事。ピアノの一音一音に浸れるのです。キースジャレットの傑作であるとともに、マンフレット・アイヒャーの美学の結晶なのです。インプロヴィゼーション45分と、やはりインプロヴィゼーション28分の2曲のみ。(アンコールの「Over the Rainbow」も収録)
聴いていると、思わず目をつぶったり、ため息をついたり、思わず背筋をのばして空をみあげたりしてしまいます。魂の音楽です。
私にとって、無人島に持っていくのは、ケルン・コンサートよりも、サンベア・コンサートよりも、パリ・コンサートよりもウィーン・コンサートよりも、このラ・スカラです。
 
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Dino Saluzzi & Anja Lechner / Ojos Negros
★★★★★
バンドネオン(Dino Saluzzi・アルゼンチン) + チェロ(Anja Lechner・ドイツ)。
その音楽はまさに「二人は、優雅な精神と鋭敏な感覚を持ったペア・ダンサーのよう(ロサンゼルス・タイムズ紙)」。しかし、ダンスのリズムを刻むというより、連続した音の波に身を任せるという気分です。楽器の特性上よく動くのはバンドネオンの方で、サポートにまわるのはチェロというのも、実際の二人とギャップがあってそれがまた新鮮。ジャンル、国境、年齢、全てを超えた魂の音楽。普段ライヴ・コンサートにほとんど興味がないのですが、このプロジェクトなら絶対に行きたい。ディノ爺は1935年生まれ。
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Woman of Heart & Mind / ジョニ・ミッチェル
★★★★★
10代の頃から60歳過ぎまでのジョニ・ミッチェルの、赤裸々で、恋い多き、絶えず前に進み続けた、誇り高き道のり。大変素晴らしいドキュメンタリーです。
若く美しいジョニも沢山出てきますが、ボーナス収録されている40歳代半ばのスタジオライブのカッコイイ事といったら!思うに、この人はそれほど器用なタイプの人間ではないと思うのですが、ともあれ、人生とは自分の魂の声に従い続ける事なんだという事にあらためて気づかされます。
個人的には音楽的にも熟成しきった最近のアルバムが大好きです。今は60歳代後半。もちろん次のアルバムを待っていますね。
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Bach: Alles mit Gott  
★★★★★
最近新たに発見されたバッハの直筆楽譜から、美しいアリア達。この季節、窓から風を入れて、このアルバムをちょっと小さめの音量で再生するれば、たゆたう音に誘われて気持ち良く昼寝が出来ます。というか正直にいうと、昼寝専用BGMに決定です(宗教的な内容を全く無視)。
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Coco Avant Chanel / ココ・アヴァン・シャネル
★★★★☆
 シャネルの前のココ。映画はまだ観てません。音楽を担当しているのはアレクサンドロ・デスプラ(真珠の首飾りの少女、ベンジャミン・バトンなど)。今までは器用なサントラ職人風な印象でした。が、今回は水を得た魚のよう。ブランドイメージにぴったりな、上質なシルク、上質なリネンのような音楽たち。美しいストリングスを中心とした2分ほどの小作品がキラキラと全18曲。最後にオドレイ・トトゥの唄が聴けるのもとても楽しい。映画を観る前にクォリティの高いサントラを聴いてあれこれ想像を広げるのも楽しい事です。
You tubeの動画は同じオドレイ・トトゥのCHANEL N°5コマーシャル・フィルム。 

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バッハ:フーガの技法
★★★★★
BACH / The Art of Fuge / Pierre-Laurent Aimard
晩年のバッハが、聴き手に媚びない純粋芸術、自分自身の思考の最も純粋な本質に傾いていった時期の、未完に終わった最後にして最重要な作品。
 
フーガとは、あるメロディーに対して、時間差で追加のメロディーを重ねる、というか、複数のメロディーが絡み合う音楽形式のこと。くまさんの唄でおなじみの「輪唱」にも似ていますが、幾重にも重なった音を俯瞰したときの風景に加え、数学と哲学をも駆使して作曲しているという意味で、技巧的で、職人技的で、構造主義的な音楽です。
 
集中して、流れる重層的な音の内部に入っていくと、計算し尽くされ、かつ美しく複雑な建築の設計図のようで、一般的な音楽の感動ではなく、バッハの思考を勝手に追体験するような奇妙な感覚になります。実は演奏をまったく意図せず、純粋に理論的なものとして作曲された可能性もあるらしいのですが、天才の一生の最期として挑んだ重みを、こうして現代に気軽に聴く事が出来るという事自体に感慨を感じます。
 
グレン・グールドのオルガンによる演奏がベストとの意見も多いようですが、個人的にはピエールさんのヨーロッパ的解釈のピアノが好きです。
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Conte de l'Incroyable Amour
★★★★★
アヌアル ブラヒム。チュニジア出身のウード奏者。チュニジアというとイマイチ具体的な風景が浮かび難いのですが、モロッコのすぐお隣。広大なサハラ砂漠、遺跡、絨毯やら香辛料を売るお店がひしめく迷路のようなメディナ。小さなガラスコップになみなみつがれたお砂糖いっぱいのミントティー、クスクス、タジン、そして「イングリッシュ・ペイシェント」のロケ地。.....異国情緒溢れるウードの音色ですが、ばりばりの民族音楽ではなく、西洋も東洋も知る者のエスニック音楽。ものすごい演奏技術なのだと思いますが、そういった表面的な事よりも、純粋に内省的な音楽の風景にどっぷり溺れてしまいます。ECMらしい音処理が素晴らしい。
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Kim Kashkashian, Robert Levin / Brahms: Sonaten fur Viola und Klavier
★★★★★
キム・カシュカシャンはアルメニア系の女性ヴィオラ奏者。ヴィオラはヴァイオリンよりも一回り大きく、その分低音が豊かで人間の声により近いものを感じるのかもしれません。人生のご褒美、優雅な朝食にこのアルバムが必要です。本当に素晴らしいジャケット・アートワーク。
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バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
★★★★★
Gidon Kremer / Bach The Sonatas and Partitas for Violin Solo
2枚組の大作。これぞ魂の音楽。生半可な気分の時はもったいなくて聴けません。バッハ自筆を使用したジャケットも秀逸。
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Vassilis Tsabropoulos / The Promise
★★★★★
Vassilis Tsabropoulos / The Promise
もう何十枚持っているか定かではないECM。新たなお気に入りがこのクラシック畑のギリシャ人ピアニスト。2009年の新作は完全なソロ・ピアノアルバムで、ジャズでもクラシックでもない独自の表現。既出のアルバムではもう少しアップリフティングな表現もあったのですが、今回は全曲静謐で荘厳。おそらく宗教感が色濃く出ているのだと思いますが、無宗教の私が感じるのはとても静寂な平和感や深い精神性のようなもの。演奏技術はもちろん申し分がないのでしょう。しかし少ない音数に込められた芳醇さ、ホールや教会よりももっとプライベートな場所で聴いているような優しくクリアな音質、ディケイの長いピアノ音の処理など、とにかく心地よく寝る、じゃなかった、心地よく時間を過ごす一種の環境音楽なのです。
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