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孤独(新訳) / アンソニー・ストー
★★★☆☆
Solitude(The School of Genius) / Anthony Storr
前半は退屈でしたが、後半は読むスピードが増しました。
本書での孤独とは、他者に頼らない、惑わされない独立性、独自性。それらが自らに確立出来ていれば、沢山の気の合う仲間に囲まれて暮らそうと、独りであろうと幸福であるはず。もちろん逆もまたしかり。真の自分との対話には孤独は必要であるし、創造性、芸術性という観念においては、孤独こそ栄養なのだという。それをニュートン、ユング、カント、ヴィトゲンシュタイン、バッハ、ベートーベン達の実例で展開する論理。
日常生活において、自分自身の孤独のバランスを考え直すのもいいかもしれません。
ただし、本書記載のとおり「独りでいたい欲求と、独りでいることができる能力とは異なり」ます。前者が人付き合いを円滑にすべく本心を隠すという、いわゆる外面(そとずら)の良さから解放され、本来の自分の姿に戻れる(というかおそらく、偽装しないで済む時間を過ごしたい)という欲求なのに対し、後者は個人としての独自性を発見しそれを表現する事。ユングによると「一個の生物が有する生得的特質の最高度の表現」と定義しています。
孤独礼賛ではなく、自分に対して厳しく、つねに自己分析をする姿勢なのでょう。もう少しゆるく表現すると、本書記載のド・クィンシィの言葉のとおり「自分の知的能力を広げようとする人であれば、誰しも、自分の人生の柄・模様として孤独を配するぐらいのことはするはずだ。」ということ。
本書の言う孤独をすでに身をもって知っている者にはあまり真新しい内容ではないかもしれません。また、表面的に自分勝手に生きる事の言い訳や、自分の内なる欲求として他者との交流を必要としているのにも関わらず、自分を偽り、孤独でいる人の慰めにも、本書は役に立たないと思います。
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